店主の独り言
日常の出来事や思ったことなど、店主が気ままに綴ります
平成16年12月17日(金)
『蕎麦屋店主のうんちく』
 昔、修行僧が山ごもりをするとき、絶対に忘れてはならないのがそば粉だったと言われている。
煮炊きをしなくとも水に溶いただけで食べられるし、なによりも栄養のバランスが良く、修行僧にとってはこれほど持ち運びに楽で、最善の穀物はなかったのではないだろうか。
そばの栄養には・・・
まず、良質のたんぱく質・豊富なビタミン、これは言うまでもない。
最大の特長は、ルチンとコリンの含有量である。持続常用すると大変健康に良い。
このルチン・コリン、そしてポリフェノールは、そばから摂取するのが良いと言われている。
ポリフェノール・ルチンは動脈硬化・脳溢血の薬効であり、コリンは飲酒家の肝臓病予防に良いと言われている。
あまり知られていないところでは・・・
胃潰瘍の薬効であるパントテン酸ナイアシン、便秘に良い繊維質ヘミセルロース、意外なところでは糖尿病の薬インシュリンもそばに含まれている。
このようにまさに健康食品の代表的な食べ物である。ちなみに胃潰瘍の薬効と紹介したパントテン酸、体内では主として今話題のコエンザイムの成分として存在している。
 蕎麦屋の主人には余り太っている人を見たことがない。
ほとんど毎日、一食は蕎麦を食べていることと無関係ではないと思う。
ぜひ、蕎麦を常用食としていただきたい。
また、その他に蕎麦には多くのビタミンB類が含まれているが、そのほとんどが水溶性のため、ゆでたお湯に溶け出してしまう。
よってそば湯はぜひ飲んでいただきたい。血圧の高い方でお薬がわりにそば湯を飲む方もおられます。もちろん蕎麦屋からそば湯をもらってくるのです。
そんなそば湯も蕎麦屋では全部捨ててしまうのですから、もったいない話ではありますが・・・。
 それでは今回はこの辺で。


平成16年 7月 9日(金)
『そば粉』
そば粉は例年10月に収穫し、収穫間もない時期のそばを新そばと言う。
この時期に収穫したそば粉を一年間わけだが、昔と違って保存方法も良くなっているので10月の粉と翌年6〜7月の粉はそんなに違わない。
しかし新そばから見れば、6〜7月のそば粉は疲れていて香り・ねばり共に弱くなっている。
その香りとねばりをなんとか長持ちさせようと努力している。
寒ざらしそばなどもそんな理由から清流に長時間さらし劣化を防いでいる。
米澤鷹山そば街道では今、農協さんが研究している地粉の『雪室(ゆきむろ)でわかおり』をなんとか街道の名物にしたいと思っている。
三月ごろ、暖かくなり始めたころ、雪で作った倉庫に入れ6〜7月ごろ使ってみようとの試みである。
おいしさをどれだけ閉じ込めていられるのか楽しみである。
近日、この粉を使った試食会があるので結果はこのページで報告することにしよう。


平成16年 6月30日(水)
『山形のそば』
米沢は歴史の街、史跡も数多い。
また食べ物にも歴史がある。『鷹山公の倹約』がまだまだ市民の血に流れているので食いだおれまではいかないが本当においしい。
酒・果実・牛肉・鯉・お菓子、いずれもレベルはかなり高い。(と思う)。
そして麺類もハイレベル、米沢ラーメンは全国区ですし、そばも『山形のそば』は全国でも三本の指に入ろう。
この『山形の』は「山形県」の山形であり、『山形市』の「山形」ではない。
山形のそばには各地にそば街道がある。
当地米沢市には『米澤鷹山そば街道』がある。
23店舗が加盟し、日々研鑚の毎日である。
米澤鷹山そば街道の特徴は個々の味を大切にしているところで、23店舗はそれぞれ自店の味を持っている。
すなわち23店舗のダンナは頑固者であり、自分のそばにこだわりを持っている。
菊太郎新富のそばは二種類ある。手打と細打、割粉・加水いづれも違うので当然ながら味も違う。
でもそれぞれにそれぞれの味があって両方うまい。(と思う)。
お客様のお好みでそれぞれの味をお楽しみください。


平成15年11月25日(火)
『米沢市景観賞』
米沢市には上杉の城下町にふさわしい建築物を表彰する賞があります。
今年で第五回を迎える賞ですが、今年度は当店舗が受賞し、先日景観賞のプレートをいただきました。
勿論エントリー制度ですので推薦がなければ選考されませんが、なんと三名もの方からご推薦いただいたそうで本当にありがたく、また自分なりにイメージした「上杉の城下町」を認めていただけたようで「ホッ」といたしております。
これまでも観光中のお客様がお食事にいらした際、店舗の玄関で写真を撮っておられる光景を目にしますと本当にうれしく思ったものでした。
これからも建物に負けないよう、そば・うどん造りに研鑚せねばとあらためて思っております。
『新そば』
10月中旬より新そばを打ち始めました。現在、当店では北海道産を打っております。
今年は県内産「でわかおり」がまったくの不作で、一週間に10キロ程度しか手に入りません。本当に残念です。国産そば粉は全国的に不作のようで、玄そばも昨年より23割高くなっておりますが、何とかがんばって良いそば粉を仕入れるよう努力しております。
また、天候のせいでしょうか、のど越しは良いのですが、香りが少しもの足りないような気がしてちょっぴり残念です。
『旬の味覚』
せりそば・鴨南そば始めました。
近年ではどんな食べ物も周年味わえるようになり、季節感がなくなってまいりました。(いいのか悪いのか・・・)
そんな中にあってこの二品はこの季節でないと味わえない貴重な食べ物ではないでしょうか。
せり独特の香りと天然物の鴨肉の味、2月中旬までの期間限定です。
ぜひ本物の味で季節感をお楽しみください。


平成15年 5月 1日(木)
『冷たいそば・熱いそば』
 同じ素材なのに冷たいそばと熱いそばでは味がずいぶんと違います。
熱に弱いそばは冷水でしめた後、冷たいそばはそのまま、熱いそばはもう一度熱湯に入れ熱くします。その時、味に変化が出てきます。
それらの性質を利用して自分好みの新しい味を発見することもできるのではないでしょうか?
一般的に『もり』と言えば冷たいつゆに冷たいそばをつけて食べ、『かけ』と言えば熱いそばに熱いつゆをかけて食べますが、『あつもり』となると熱いそばを冷たいつゆや熱いつゆにつけて食べるという食べ方です。『冷かけ』は冷たいそばに冷たいつゆをかけて食べます。
『あつもり』『冷かけ』この二品はよく見かけますが、これらをアレンジして冷たいそばを熱いつゆで食べたり、あついそばに冷たいつゆをかけて食べたりといった食べ方もあります。
いずれも味が微妙に違い自分だけの味を発見できることと思います。
おそば屋さんへ行き「板そば一枚、つゆは熱くして」とか「とりそば、そばは冷たくして!」などと注文したら店員さんもダンナさんも「ん?ちょっとうるさいお客様だな」と思いギクッ!とするはずです。
さぁ!自分だけの味を発見しましょう!!

平成14年 9月26日(木)
『あなたは手打派?細打派?』
 当店のおそばは手打と細打の二種類があります。
そば粉と割粉(つなぎの為の小麦粉)の特徴を考えると、その割合を調整して『冷たいそばは手打』『温かいそばは細打』がベターと考え二種類にしました。
しかし人それぞれの好みで『冷たいそばで細打』『温かいそばで手打』というお客様もおられます。
要は嗜好品ですのでお客様のお好みで良いのです。
手打と細打の特徴を申せば、手打はそば粉の香りとコシを味わい、細打はツルツルした食感の口当たりとのど越しを楽しむと言うことになります。
この違いはそば粉:割粉の割合の違いと、手で打つ・機械で打つの違いですが、まったくの同じ食材で味が違うというのがおもしろいと思います。
ぜひご来店いただき、美味しさの違いをお客様自身に確かめてほしいものです。
割合は違えどまったくの同じ食材で二種類の味が楽しめます。ご注文の際には「今日は手打で」とか「今日は細打にしようかな」など、ぜひご指定ください。
よほど大食いの方でなければ一度にふたつは召し上げれませんので、ふたつの味を確かめるには最低でも二度のご来店が必要になりますが・・・。

平成14年 7月25日(木)
『菊太郎新富に作法はないけれど』
 どのような食べ方をしようとお客様の自由であることを前提にお話しましょう。
もり・ざる系のそばを食べる時、十人十色お客様一人ひとりが違います。別に食べ方のルールやフランス料理のように作法がある訳ではないので勿論お客様の自由です。
 でも、その食べ方がとっても美しく絵になっているようなお客様に出会うと『お代なんかいらないっ!』位うれしくなります。(いただきますが・・・。)
 しかし例えルールはなくとも、「最低これだけはしないでほしい」、「こんな食べ方はしてほしくない」という気持ちはあります。そんな気持ちをちょっとお話させていただきます。
@箸からおそばを離さない
Aチョコの中でそばをかき混ぜない
B箸でそばを口の中へ突っ込まない
以上の3点に気をつけると、とっても絵になるそばの食べ方ができます。
全体の流れを文章にすれば、まずそばは4〜5本(太打の場合は2〜3本)を箸で持ち、そばチョコに2/3位つけ(この時そばを離してはいけない)そばを口に近づけ一気にすすります。この時、一呼吸で口にすすりこませるのが理想でしょう。
 当店のそばつゆは関東風の辛汁ではなく、どちらかというと甘汁です。(関東風の辛汁でそばをたっぷりチョコに入れ食べると、しょっぱくて食べられません。一口食べてつゆは無くなります)
 でも1/2〜2/3だけつゆをつけて食べても、十分つゆの味を楽しめます。また、その方がつゆの香り(かつを節・宗田節等)を味わえます。そして食べ終えたら、そばの香りいっぱいのそば湯をたっぷりと楽しんでください。このそば湯は和食のお吸物にあたり、栄養もたっぷりですので、そば屋ならではの贅沢です。
以上、『そばの美しい食べ方・おいしい食べ方』を自分なりに書きましたが、お客様一人ひとりがご自分の食べ方で「これが一番!」そういうスタイルが一番である以上は、何も文句は言えませんが・・・。いつか私を唸らせる美しい食べ方をなさるお客様が現れたら「お代はけっこうです」と言ってみたいものです。
ご意見・ご感想など店主へのお便りをお待ちいたしております



有限会社新富
山形県米沢市城北一丁目8-20
TEL0238(23)0666
FAX0238(21)7865
info@kikutarou-shintomi.net

Copyright©2001- SHINTOMI Ltd.All Rights Reserved.